会社と言う組織は、“仕事が無ければ生きては行けません”
どんなに人材を集め、技術力があり、良い職人さんを揃えた所で、仕事が無ければ、会社は維持していけません。
この当たり前の事を我々建設業界は、今実感しています。
大幅な公共事業費の削減。我が社は、民間工事100%ですが、建設業界全体の仕事は、減った分だけ奪い合いとなります。公共事業が少なくなれば、民間の仕事を取り合う事になります。
どんな受注も厳しく、競争や競合のない仕事など無くなったのです。
坪単価だけ比較して選ばれるお客様が多くなっています。
「建築確認」は、役所の書類確認です。“確認”であって、品質保証でもなければ、許可でもないところから耐震構造計算偽装事件は起りました。
「建築確認申請」の検査は出された内容を現場で確認されるだけと考えたらいいでしょう。
“企業戦争”と言う言葉があります。確かに地域や業界内では仕事を挟んで戦争をしている様な実態が無い訳ではありません。
しかし、戦争は、基本的には“殺し合い”です。参加する兵士(社員)は、命懸けとなります。
企業戦士の様な戦いをさせ仕事を取るだけの企業。大事なのは企業としての責任の取り方であり、大袈裟なようですが保証し責任を果
たすと言う人生観とその姿勢です。
自分の父親が傷痍軍人であったことも自分の思想に大きく影響していると思うのですが、
社員を企業戦士にして戦わせるのは、やはりビジネスではない様に思います。
戦争であれば、武器が必要です。守る陣地も必要でしょう。
持久戦であったり、兵糧攻めであったり、突撃であったり、退却であったり、こんな作戦に巻き込まれれば社員は、疲弊してしまいます。
好戦的な営業は、一見頼もしそうですが長続きしないと言うのが私の教訓です。
確かに仕事が無ければ、会社は成り立っては行きません。敵の陣地に入り込んででも仕事を奪って来いとなります。
でも我々の仕事は、そんなにして取って来ても良い仕事になるはずありません。
仕事の正しい手順と云うのがあるはずです。
脳力開発の城野 宏先生は、戦略は二者択一、楽しみの人生か、嘆きの人生かどちらを目標にするか?と言いました。
城野先生が言うのは説得力がありました。
1949年に中国山西省郡太原が陥落し36歳で中国人民解放軍の捕虜となり、1964年に51歳で解放されるまで監獄生活を15年体験した人です。
男の働き盛りを獄中で過ごされた城野先生が、過去を嘆いても仕方ないし、いわんやこれからの人生を嘆いている場合ではないと言ったのです。
楽しみの人生しかないと思い生活する。常にその方向へ、自分の意識をシフトさせる陽転思考の先生は先駆けでした。
お客様にとって、我々が楽しみの人生の相手になるか見極めて貰うのが仕事です。
「人は人のために働くのが本来である。人を喜ばせ楽しませるところにビジネスの目的がある」と言う人が居ます。
又、唐津 一さんは「人類は経済が目的ではない。人類はモノづくりで生きている」と言っています。我々のモノ造りの姿勢を評価して貰うのです。
建築屋は、人のモノであってもモノづくりの楽しさはあります。その楽しさをお施主さんと一緒に味わって行くのが、大事です。
作業や工程を共に楽しんで頂けないのであればその仕事は失敗と考えた方がいい。
我々は、プロ集団であっても、施主さんが営まわれる事業に、我々が協力して知恵で参画すると言うのが筋だと思うのです。
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